早生まれ税金訴訟

父ちゃん、また小法廷に立つ(計画)

対所得税 控訴審判決

令和6年5月23日に東京高等裁判所で判決言い渡しがありました。

結果は控訴棄却、つまり敗訴です。

これに対して、6月10日上告及び上告受理申立てを行いました。

いよいよ最高裁です。

 

遅くなりましたが、以下、判決文の抜粋を転載します。

関係ないですが、「るる主張する」という表現は初めて見ましたが、なんか可愛いですね。

 

当審における控訴人の補助的主張に対する判断
(1) 控訴人は、平成22年度改正の立法目的は、扶養控除から子ども手当への切り替えを実現するための所得税法側の措置として、子ども手当の支給要件児童と見なされる年齢の扶養親族を控除対象外とするように講じることと、特定扶養控除から就学支援金への切替えを実現するための所得税法側の措置として就学支援金の支給対象とみなされる年齢の扶養控除を控除対象外とするように講じることである旨主張する。
 しかし、平成22年改正の立法目的は、高所得者に有利な面のある所得控除から、手当(又は税額控除)への移行(「控除から手当へ」)を進め、支援の必要性が相対的に大きい低所得者につき、実質的に有利な支援を行い、所得税所得再分配機能の回復等を図ることにあるのであって、それ以上に個別の納税者に対し、扶養控除又は扶養控除額の上乗せ部分の廃止と引き換えに、子ども手当又は就学支援金を支給すること(扶養控除又は特定扶養控除から子ども手当又は就学支援金への切替え)までを目的とするものではない(引用に係る原判決「事実及び理由」(補正後のもの。以下「原判決」という。)第3の2(3))。
 したがって、控訴人の上記主張は採用できない。
(2)控訴人は、同年に出生した早生まれの子を扶養する納税者は遅生まれの子を扶養する納税者と比較して扶養控除又は特定扶養控除の適用開始が遅れる不利益を被るところ。本件年齢規定は、その代替となる給付もなく扶養控除または特定扶養控除を廃止したものであるから、仮に平成22年改正の立法目的を原判決のように解したとしても、立法目的との間に合理的関連性がなく、憲法14条1項に違反する旨主張する。
 しかし、前記(1)のとおり、平成22年改正は、個別の納税者に対し、扶養控除又は特定扶養控除の上乗せ部分の廃止と引き換えに、子ども手当又は就学支援金を支給すること(扶養控除又は特定扶養控除から子ども手当又は就学支援金への切替え)までを目的とするものではない。また控訴人が主張する早生まれの子を扶養する納税者の不利益は、結局のところ、子ども手当等の支給要件については「15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間」と定められているのに対し、所得税法(暦年を課税年度とし、課税標準の計算も暦年単位で行っている。)が、一般の控除対象扶養親族又は特定扶養親族に該当するかの判定を「その年12月31日の現況」により一律的に行う旨規定したこと(同法85条3項)に起因するものであるところ、本件年齢規定について。徴税の便宜や所得税法の各規程の整合性の観点から、暦年を基準として規定したことは、立法府の政策的、技術的な裁量的判断であって、基本的に尊重せざるを得ないものであり、控訴人主張の諸点を考慮しても、平成22年改正の立法目的との関連で著しく不合理であることが明らかとまでは認められない(原判決第3の2(4))。
 したがって、控訴人の上記主張は採用できない。
(3)その他、控訴人はるる主張するが、原審における主張を繰り返すものか、独自の見解を述べるものであって、上記1の認定判断を左右するのものではない。
第4 結論
 そうすると、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。


結論
 したがって、原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし、主文のとおり判決する。