早生まれ税金訴訟

父ちゃん、また小法廷に立つ(計画)

対地方税 原告第2準備書面

先週、第1準備書面を提出しましたが、追加の主張があったので次回の弁論準備期日に間に合うように提出いたしました。

 

こちらです。

 

令和4年(行ウ)第9号 課税処分取消請求事件

原   告 Sakurahappy

被   告 川崎市

処分行政庁 川崎市

 

原告第2準備書面

 

                         令和4年8月1日

 

横浜地方裁判所第1民事部合議B係 御中

 

              原        告   S a k u r a h a p p y

 

第1 主張の補充

1 扶養親族判定の実態について

 原告第1準備書面で,現在はコンピューターシステムが生年月日から瞬時に扶養親族の区分を判定する仕組みになっている旨を主張したが,令和3年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き(甲16)によると,扶養親族は令和3年12月31日の現況において掲げる条件に該当する者とし,控除対象扶養親族と特定扶養親族,老人扶養親族については扶養親族の生年月日が所定の範囲にあるかどうかで判定していることがわかる。また令和4年度分市民税・県民税申告の手引き(甲17)によると,こちらも扶養親族の区分は扶養親族の生年月日から判定していることがわかる。つまり実態は,扶養親族に該当するかを前年の12月31日時点の現況で判定し,扶養親族の区分を扶養親族の生年月日がどの範囲に属するかで判定しているのである。

 ところで年齢は,法的には誕生日の前日に加算にされるが,一般的には誕生日に加算されると考えるため,12月31日時点での年齢で扶養親族の区分を判定すると間違いが起きやすい。そこでその間違いを防止するために,そして扶養親族の区分を容易に判定するために,実務上は生年月日がどの範囲にあるかで扶養親族の区分を判定する方式が採用されているといえる。

 このように,扶養親族かどうかの判定は点,扶養控除分類の判定は線,というように捉え方が異なるのであり,実務上の方式では,扶養親族の区分判定に12月31日時点の年齢が使用されていない(甲16でカッコ書きとして補足している程度である)。そうなると被告は「12月31日時点の年齢で扶養親族の区分を判定することは,12月31日時点で扶養親族の対象かどうかを判定することと整合的である」という旨の主張をするが,その整合性は重要ではなく,必要性を欠くというべきである。

 また,効率的徴収の観点からしても,実態は生年月日がどの範囲に属するかで判定してるのだから,原告第1準備書面8頁で主張したとおり,生年月日の範囲を立法目的と関連性があるように規定しても,徴収効率は損なわれないことが明らかというべきである。

2 年分課税(暦年課税)制度の考え方について

 そもそも年分課税(暦年課税)は,1月1日から12月31日までを課税対象の期間とし,その1年間の収入から,その1年間の状態に応じて定められた非課税部分を差し引いたものを所得とし,その所得に応じた課税をする考え方であり,12月31日の断面から1年の課税対象を判定するという考え方ではない。つまり年分課税制度の本来の考え方を踏まえれば,その1年間に,その親族を扶養することによってかかる費用や得られる収入(手当)から扶養控除額が定められるべきである。

 そして所得税と個人住民税は,1年間に扶養にかかる平均的な費用や公的に支給される手当や支援金をもとに,公平負担原則や徴収効率の観点から扶養親族を分類するものとし,①児童手当の対象に相当する親族か,②高等学校等就学支援金の対象に相当する親族か,③大学生等に相当する親族か,④同居していない老人に相当する親族か,⑤同居している老人に相当する親族か,⑥それ以外に相当する親族かで控除の可否と控除額を定めているのであり,年分課税制度であるからこそ,①②③の分類は,3月31日を基準日とした年齢で判定することが正解というべきである。

 

以上