sakurahappyです。こんにちは。
所得税法と地方税法では扶養親族(16歳以上)と特定扶養親族(19歳から22歳)につき所得控除が認められていますが、年齢が判定が12月31日時点の年齢を一律に判定する方式であるため、扶養する子が早生まれか遅生まれかの違いで課税額が異なります。
扶養控除額 | 特定扶養控除 | 年少扶養控除 | |
所得税 | 38万円 | 63万円 | 0万円 |
地方税 | 33万円 | 45万円 | 0万円 |
実際の学年と年齢の判定にずれがあるため、下の表のように扱いが異なります。
遅生まれ | 早生まれ | |
中学3年 | 年少扶養親族 | 年少扶養親族 |
高校1年 | 一般扶養親族 | 年少扶養親族 |
高校2年 | 一般扶養親族 | 一般扶養親族 |
高校3年 | 一般扶養親族 | 一般扶養親族 |
大学1年 | 特定扶養親族 | 一般扶養親族 |
大学2年 | 特定扶養親族 | 特定扶養親族 |
大学3年 | 特定扶養親族 | 特定扶養親族 |
大学4年 | 特定扶養親族 | 特定扶養親族 |
社会人1年 | 扶養なし | 扶養なし |
これを見ると特定扶養親族になるのが1回少ないのがわかります。これはおかしいですよね。
この点、何年も前から国会で指摘されていて、早急に見直すと答弁されているにもかかわらず、いっこうに改善されません。
今回、司法から改正を促してもらうために提訴するわけですが、今までにこの件について訴訟がなかったわけではありません。平成20年に名古屋地裁(2審は名古屋高裁)で『扶養親族に該当するか否かの判断基準日を「その年12月31日」とする所得税法85条3項(扶養親族等の判定の時期)は不合理であるとはいえない』と判断しています。このような前例があるにもかかわらず、なぜまた訴訟を起こすかというと、
①平成20年の事例での原告の主張は、早生まれの子は社会人1年目を特定扶養親族にして公平にしようというもので、裁判所が『控除の要件や扶養の実態を無視した独自の見解であって理由がない』と判断したのは妥当と思われます。なので今回はそうではなく、同じ学年でそろえるように主張を変えること。
②平成22年の改正(扶養控除の見直しについて(22年度改正) : 財務省 (mof.go.jp))で年少扶養親族と16~18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分が廃止されたことにより、子ども手当制度(現行の児童手当)や実質高校授業料無償化制度が租税法と連携する制度設計であるにもかかわらず、年齢の判定に不整合があり不合理であることがより鮮明になったこと。
これらの理由から、改めて裁判所の判断を仰ぎたいと考えています。
裁判は時間がかかります。おそらく結論がでるまでに5年ぐらいはかかるでしょう。気長にお付き合いください。
ちなみに税法に対して違憲訴訟を起こすのは初めてではありません。前回は右往左往しながらやりましたが、それはこちらのブログで記録しています。